世界中を揺るがせたコロナ禍から、私たちはようやく日常を取り戻しました。その一方で、海外の利上げによる円安や物価の上昇によって私たちの生活は大変な打撃を受けました。毎月行われる月例経済報告では、「景気はゆるやかな回復」と示されるものの、大都会を含む、全国的な指標だけではなく、地方ごとのなるべく細かい数値を検討しなければ、本当に回復しているかどうかはわからないのではないでしょうか。円安の進行によって、数値上の利益が上がった企業を含めば、景気は回復しているように見えるかもしれません。賃上げに耐えられる体力を持った企業との平均値を取れば、平均賃金は上がったかもしれません。しかし、私が地元でお会いする方々の声を聞くと、そういった数値上の回復からは程遠い、益々生活の苦しさを感じる方が依然として多いと思います。
今、何が政治に求められているのか―景気対策、食糧安全保障、少子化対策、国防、防災・国土強靭化―課題が山積する中、私たち政治家は、国民の皆さんが本当に求めていることに応えられているのか、そのことを常に自問自答しています。
私たちの故郷は、ここ数年、毎年のように大変な水害に脅かされています。被災現場に急行し、対策を打つことはもちろんですが、被害に遭われた方の声をできる限り聞きたいと思い、昨年は2,000件近く被災現場の方にお会いし、皆さんの声を聞かせていただきました。
昨年からの政治資金に関する問題で、政治は国民の皆さんの信頼を大きく失いました。政治への信頼回復と、一人でも多くの方が将来に希望を持つことができるようにするためには、政治家である私たちがその原点を忘れてはいけないと思っています。
民主主義の原点は、国民一人一人が、自分たちのために、自らに対して政治を行うことにあります。近代の間接民主制において、議員は皆さんからの付託を受け、皆さんのために代わってその大切な仕事を行っている以上、国民の声を忘れることはできません。経済、農林水産業、国防、防災など、重要な政策を進めていく大前提となるのは、私たち政治家にとっては、地元の皆さんお一人お一人の声であり、その心です。
一人でも多くの方の声が、心が届く、新しい時代の政治を目指していきたい。それが私の決意です。